共に茶を喫しても、習近平国家主席(左)警戒心を解くことはなかったメイ首相(左) (C)EPA=時事

 

 エマニュエル・マクロン仏大統領(1月8日~10日)、テリーザ・メイ英首相(1月31日~2月2日)が立て続けに北京を訪問した。欧州主要国の首脳を相次いで迎え、習近平中国国家主席の外交は順風満帆のように見える。しかしつぶさに観察すれば、両国は中国から経済的実益を得ようとはしているものの、安全保障上の警戒心はかえって高まっていることが見て取れる。

フランスは「太平洋国家」

 2017年5月の就任以来、初めての東アジア訪問であった今回は中国のみを訪れ、日本には立ち寄らなかったマクロン大統領。この日本素通りだけを捉えれば、フランスが中国に無条件にのめり込んでいるように感じられる。

 しかし、時を隔てずして1月26日、日本とフランスの重要な会議が東京で開かれた。両国の外務・防衛担当閣僚が一堂に会する「2プラス2」だ。2014年1月、安倍晋三政権の下で始まったこの枠組みは、フランスで大統領がフランソワ・オランドからマクロンに交代しても存続し、今回で4回目を数える。日本が開催する「2プラス2」の中では米国、近年は準同盟国と称される豪州に次ぐ頻度だ。

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