オーストラリアのガス田「ゴーゴン」からパイプラインでこの施設に貯蔵されるLNGの量は世界最大規模(C)AFP=時事

 

 2013年の秋、とあるパーティの席で商社エネルギー部門の後輩に「東芝は誰と組んでいるのだろうか?」と尋ねたことがある。東芝が米国で年間220万トンの、LNG(液化天然ガス)委託加工契約を締結したとのニュースが流れていたからだ。

 若干、解説を加えておこう。

 2016年の世界の天然ガス生産量は3兆5516億立方メートルで、そのうちの約3割が国際取引されている。さらに国際取引の約7割はパイプラインで、約3割がLNG。すなわち、LNGとして取引されているのは全生産の約1割、3466億立方メートルである。これをLNG換算にすると、約2億5600万トンになる。日本は約8000万トンを輸入しており、現時点では世界最大の輸入国である(「BP統計集2017年版」)。

 LNGとは、常温で気体の天然ガスをマイナス162度以下で冷却し、体積を約600分の1にすることによって、パイプラインでは供給できない遠隔地にも輸送することを可能にしたものだ。

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