南仏ニース「トラック暴走テロ」から1年半(下)本当に「ジハード」だったのか
2018年2月14日
欧州のイスラム過激テロは、たとえそれが小規模でも、本当の一匹狼によるものは少ない。多くの場合、テロリストは他の過激派仲間と頻繁に連絡を取り合い、緩やかなネットワークの一翼を担っている。彼らは、単独犯としてジハードを完遂するほどの技術も度胸も宗教心も備えていない。仲間から励まされ、支援を受けながら、何とか一人前のジハード主義者となって、テロに及ぶ。
このような仲間の影響を受けたために、モハメド=サルメン・ラフウェジ=ブフレルもイスラム教、さらにはジハード主義に開眼したのではないか。そのような仮説は当然ありうる。
誰かが、みんなが嘘を
多くのテロリスト同様、ブフレルの周囲にも、彼の犯行を支えたと疑われる怪しげな連中がうごめいている。彼らは事件後、次々に摘発され、捜査着手にあたる予審開始決定を受けた。
その1人、チュニジア人のショクリ・シャフルードという男は、ブフレルの「指導役」だったのでは、と捜査当局から指摘された。事件の3カ月あまり前、シャフルードはブフレルに、フェイスブックを通じて以下のメッセージをアラビア語で送っていた。
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