ホワイトハウスを取り仕切っていたケリー首席補佐官(右)も、トランプ大統領との関係が微妙に (C)AFP=時事

 

【ワシントン発】トランプ政権発足から半年あまりが経過した2017年7月、ショーン・スパイサー大統領報道官が、強く反対していたアンソニー・スカラムッチ氏のホワイトハウス広報部長指名に抗議して辞任した。さらに、前共和党全国委員会(RNC)委員長からホワイトハウスでの政権運営の要である大統領首席補佐官に就任していたラインス・プリーバス氏も事実上更迭され、トランプ政権の混乱と機能不全状態に拍車がかかっていた。

 そうした中で、ドナルド・トランプ大統領が後任の大統領首席補佐官として指名したのが、国土安全保障長官であったジョン・ケリー氏であった。

厳格な措置で秩序回復

 大統領首席補佐官就任とともにケリー氏に課せられた喫緊の課題は、内紛と意図的なメディアへの機密情報の漏洩(リーク)に象徴されていたホワイトハウスの混乱と無秩序状態に終止符を打つことであった。そうした状況を改善すべく、ケリー氏が真っ先に取り組んだのが、ホワイトハウス高官が大統領執務室のトランプ大統領に対して自由にアクセスできていた状況を大幅に見直し、自らを窓口に一本化することで大幅な制約を加えて、ホワイトハウスに秩序をもたらすことであった。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。