『2018 Outlook for Energy: A View to 2040』より

 

 2017年の夏、フランスとイギリスが相次いで「2040年以降のガソリン・軽油車の新規販売を禁止する」方針を発表して以来、日本でもEV(電気自動車)化を囃す声が大きくなった。あたかも、世の中のすべての自動車がEV化されるような騒ぎようだ。だが、フランスもイギリスも「すべての自動車」に適用する、としているのだろうか。たとえば、トラックやバスなどの重量の重い荷物・人を大量に運ぶ車の取り扱いはどうなっているのだろうか? 

 技術音痴の筆者は、常々疑問に思っていた。

 そもそも、現状ではバッテリー能力に限界があり、EVはガソリン・軽油車に走行距離では勝てないという弱点がある。したがって、バッテリーの技術革新とコスト削減が今後の重要課題だが、それらが政策支援を得て進んでいくだろうと見られているのだ。

 だが普通の乗用車でも、現状でのバッテリー能力が不十分だとしたら、バスやトラックを短期間でEV化するのは難しいだろう。

 世の中の議論はどこかに大きな誤解があるのではないのだろうか。

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