14日にフロリダ州の高校で起こった銃乱射事件。「銃社会」アメリカでは同じ悲劇が何度も繰り返されている (C)AFP=時事

 

 フロリダ州南部パークランドの高校で起こった銃乱射事件の翌日、

「精神疾患という問題に取り組まなければならない」

 ドナルド・トランプ米大統領はこう発言した。しかし、銃規制に関してはひとことも触れなかった。元生徒ニコラス・クルーズ容疑者が事件の1年以上前に精神科の治療を受けていたことから、問題は精神疾患だと断言したのである。

 フロリダ州の地元高校生たちは、17名の犠牲を出したこの事件の後になっても本気で銃規制に取り組もうとしない大統領と政府の無策に怒りまくっている。生徒たちは「変化が起きるまで声を上げる」と息巻き、ソーシャルメディアで訴え、授業をボイコットしてまでデモに繰り出す高校生もいるという。

 彼らの怒りは当然のこととはいえ、これまでに同様の事件が何度起こり、同様の声がどれだけ上がったことか。

 2017年11月、テキサスの教会で起こった乱射事件では26名が犠牲になり、10月、ラスベガスのコンサート会場で起こった乱射事件では58名が殺された。2016年フロリダ州オーランドのゲイ・ナイトクラブでの乱射で50名が殺されても、銃規制など少しも進まなかった。

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