ウォーターゲート事件の「ディープスロート」マーク・フェルト(リーアム・ニーソン)(C)2017 Felt Film Holdings,LLC

 

 米大統領選挙の真っ只中だった1972年6月17日。ワシントンDCのウォーターゲート・ビルにある民主党本部に、盗聴器を仕掛ける目的で侵入した男たちが逮捕された。これが、1974年8月9日にリチャード・ニクソン大統領の、史上初の任期中の辞任にまで発展した「ウォーターゲート事件」の発端だった。

 この事件をテーマにした映画としては、ロバート・レッドフォード、ダスティン・ホフマン主演の『大統領の陰謀』(アラン・J・パクラ監督、1976年。アカデミー賞4部門を受賞)があまりにも有名だが、こちらは一貫して事件を報じ続けた新聞記者の視点で描かれたものだ。

 対して後に、記者たちに内部情報をリークし続けた「ディープスロート」であったことを自ら名乗り出たマーク・フェルト元FBI(米連邦捜査局)副長官自身の葛藤と苦悩を描いた『ザ・シークレットマン』(配給:クロックワークス)が、2月24日から全国公開される(新宿バルト9ほか)。

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