北朝鮮「平昌平和攻勢」の舞台裏(1)開会式前日強行「軍事パレード」の意味
2018年2月26日
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、韓国の平昌冬季五輪に妹の金与正(キム・ヨジョン)氏を特使として送り込み、文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領に早期の南北首脳会談を呼び掛けるなど猛烈な対南平和攻勢を掛けた。文大統領は「南北関係の発展には米朝対話が必ず必要だ」と釘を刺し、南北首脳会談の実現のためには米朝協議の進展が必要だ、と指摘した。北朝鮮による平和攻勢に文大統領が踏みとどまり、米朝協議の必要性を訴えた形だ。
また米国と北朝鮮は、韓国の青瓦台で2月10日に、マイク・ペンス米副大統領と金与正氏ら北朝鮮代表団との秘密会談を計画していたが、2時間前に北朝鮮がこれをキャンセルしていたことが明らかになった。
平昌冬季五輪は、北朝鮮の芸術団の公演、「美女軍団」と呼ばれる応援団、開会式の南北合同入場、女子アイスホッケーの南北合同チームの結成などで南北融和のムードに包まれた。
一方の米国、日本は「北朝鮮の微笑外交にだまされるな」と警戒心を強めたが、米国の一部では北朝鮮との「予備対話」の必要性を認める発言が飛び出すなど、情勢は流動的だ。
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