市場構造が変化する中、LNGのトレードはどう変わるのかを分析した記事(FTサイトより)

 

 1年半ほど前になるが、「戦略研究学会」が開催した「エネルギー市場の未来と日本の技術戦略」と題したシンポジウムの場で「『LNG市場戦略』は成功するか?」という報告をさせていただいたことがある。フォーサイトでも活躍されている池内恵先生が同会理事として企画にも関与された、学会員のみならず一般の人たちにも開放して設えたシンポジウムだった。

 所詮はサラリーマン卒業生の筆者には、「学会」レベルのお話などできない。そこで、2016年5月に九州で開催された「G7エネルギー大臣会合」で経済産業省が発表した「LNG市場戦略」を、筆者の原油市場での経験を踏まえて分析し、報告させていただいた。内容はレジメが印刷物となっているはずだが、結論だけ言うと、「ニーズに基づかない『LNG市場戦略』は実現困難」というものだった。

 最近、LNG市場で1回限りのスポット取引や3年以内の短期契約が増加している。2017年には全受渡量の25%程度に増加したそうだ。

 なぜか? 「ニーズ」があるからだ。

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