「連立合意承認」でドイツ「論争の時代」の幕開け
2018年3月13日
3月4日、ドイツ社会民主党(SPD)の党員投票の結果が判明し、キリスト教民主社会同盟(CDU/CSU)との連立合意が承認された。66.02%の賛成は、1月の時点でSPDの連立入りを支持した56%より10ポイントも多い。しかしこの66%は、連立合意にもろ手を挙げて賛成したのではなく、昨年9月からの、既に5カ月以上にわたる政治混乱に疲れ、そろそろ終わりにしてくれ、と叫んだのである。
みんながホッと
関係者は一様にホッと胸をなでおろした。もしここで党員の承認が得られなかったら、事態は再び混迷の淵へ逆戻りだ。アンゲラ・メルケル首相は、少数政権か再選挙かの選択を迫られ、いずれにせよドイツは先が見通せない視界ゼロの世界に突入する。そんな事態を望む者は誰もいない。そういう空気をSPD党員の多数が代弁した。
何よりSPD執行部はホッとした。投票結果をベルリンの党本部で発表したオーラフ・ショルツ暫定党首の表情には何より安堵の念が表れていた。次期党首が予定されるアンドレア・ナーレス氏とて同じだ。すったもんだの末、何とか今に至ったこの執行部が、仮に党員の支持が得られなかった場合消えてなくなることは火を見るより明らかだからだ。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。