最新のサイバー攻撃事情について語った、イスラエルの元ハッカー、オリー・セゲル氏(筆者提供)

 

「私たちは誰からも『ここが首都である』と言ってもらう必要はない。聖書を読めば、過去8000年の間、ここがずっと首都だからだ」

 最近筆者は、イスラエル最大の都市エルサレムのニル・バルカット市長を取材した。将来の首相候補との呼び名も高いバルカット氏は、2017年12月にドナルド・トランプ米大統領が、米国大使館を現在のテルアビブからエルサレムに移転すると発表したことについて、そう話した。

 大使館は通常首都に置かれるものだが、イスラエルが自国の首都としているエルサレムは、3宗教(キリスト教、イスラム教、ユダヤ教)の聖地で係争地となっているために、世界各国は駐イスラエルの大使館を第2の都市であるテルアビブに置いている(米国務省は2月23日、2018年5月に大使館を移転すると発表している)。

優秀な人材が豊富なイスラエル

 首都をどこだと認識するか――そんなことまで世界的な論争の的になるイスラエルという国は、敵対する近隣諸国に囲まれながら、4度の戦争を生き延びてきた。

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