モスクワの投票所で、ロシア大統領選の投票用紙を手にするプーチン大統領(左)(C)EPA=時事

 

 3月18日のロシア大統領選挙は、ウラジーミル・プーチン大統領が76%以上を得票する圧勝に終わったが、プーチン氏にとって、過去3回の勝利と比べて感動や喜びはあまり湧かないだろう。今後の6年は内憂外患が深まり、「ポスト・プーチン」の新時代に備える必要があるためだ。いずれプーチン後に向けた過渡期が始まることになり、今回の大統領選は「プーチン時代の終わりの始まり」を意味する。

「手動政治」の限界

 政治評論家のアンドレイ・コレスニコフ氏は『ベドモスチ』紙(2月21日)で、「今回の大統領選の意義は、2018年ではなく、2024年にある。これから移行期間が始まるのか。プーチンは退陣するのか、それともロシアのアヤトラ(国家の最高指導者)になるのか。辞めるなら、誰が後継者になってプーチンの晩年を保証するのか。プーチン退陣後もプーチンのシステムは存続するのか」と書いた。

 金融専門家のコンスタンチン・マロフェーエフ氏も「ロシアが直面するのは2018年問題ではなく2024年問題だ」とし、政権交代の危機を回避するため、プーチン氏を新ツァー(皇帝)に擁立すべきだと語った。ロシアのエリートの間では、大統領の任期が切れる6年後への漠然とした不安が強まっている。

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