プチデモンの逮捕に抗議して、バルセロナ市内で抗議デモを行う独立派市民と警察官。男性の肩に掛けられているのは、カタルーニャ独立旗 (C)EPA=時事

 

 スペイン・カタルーニャ自治州のカルレス・プチデモン前州首相がドイツ警察に身柄拘束されたというニュースが流れたのは、復活祭を1週間後に控えた3月25日のことだった。この週はイエス・キリストの苦難に思いを馳せるキリスト教の習慣から、「受難週」と呼ばれる。独立を率いてきた主要政治家は、この1週間にほぼ全員逮捕され、独立派にとっては、まさに「受難」の週となった。カタルーニャの「独立宣言」後、スペインでの逮捕を逃れ、2017年10月末からベルギーブリュッセルに置かれたプチデモン氏の「亡命政権」は、およそ5カ月で幕を閉じることになったのである。

警察に黄色いスプレー

 終焉の予兆は、2日前の3月23日にあった。すでに収監されている政治家に加え、2017年12月末の選挙で当選した5人の独立派州議(うち1人はプチデモン氏から数えて3人目の州知事候補者)に対して逮捕状が出され、拘束されていたのである。

 講演のためフィンランドを訪れたプチデモン氏は、国際逮捕状が出されたことを知り、空路でブリュッセルに戻ることを断念。陸路でデンマークを通過し、ドイツ北部に入った際にガソリンスタンドで拘束されたという。

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