実は遅れているロシアの「ドローン」戦略

執筆者:小泉悠2018年4月9日
米空軍の大型無人偵察機「RQ-4 グローバルホーク」(C)時事

 

 白黒画像の中心にある十字に黒い影が突っ込んできたかと思うと、大爆発が起こる――。

 湾岸戦争以来、ニュースなどで頻繁に流れる映像である。湾岸戦争の頃は目標誘導機を搭載した照準ポッドが主だったが、最近では目標付近でドローンが待機しており、命中したかどうかの確認を行うことも多くなった。

 これに限らず、現代の戦争ではドローンが欠かせない存在になっている。人命を危険にさらさず、長時間の空中待機も可能であるなど、有人航空機にはないメリットが多数あるためだ。有人航空機が戦場から姿を消すことはないにせよ、ドローンの役割は今後も増加し続けるだろう。

 世界の最先端を行く米軍の場合、兵士が手で投げて発進させる超小型のドローンから、ジェットエンジンを備えた超大型のグローバルホークまで(このクラスになると、ドローンというよりは従来から使われている無人航空機=UAV=という軍事用語がしっくりくる)、あらゆるサイズのものが活躍している。その任務も、当初の偵察・監視からミサイルや誘導爆弾による攻撃にまで広がり、UAVによる空爆オペレーションさえ珍しくなくなった。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。