イラン制裁専門家パネルから見た北朝鮮「国連捜査」の現場(1)
2018年4月9日
2017年末に出版された、国連安保理北朝鮮制裁委員会専門家パネルの元メンバーの古川勝久さんが書かれた『北朝鮮 核の資金源:「国連捜査」秘録』(新潮社)が大きな話題を呼んだ。ちょうど北朝鮮への制裁が強化され、石炭や鉄鉱石の輸出などが禁じられただけでなく、石油精製品の輸入なども禁じられるようになり、その制裁をくぐり抜けるために洋上で「瀬取り」と呼ばれる物資の受け渡しが行われているとの報道が増えた時期でもあったため、高い関心をもってこの本が読まれるようになった。
古川さんは、筆者がイラン制裁委員会専門家パネルに所属する前から北朝鮮パネルで活躍され、またイラン核合意によってイラン制裁パネルが解散した後も勤務を続けられた方なので、私にとって先輩であり、2014年からは国連プラザ(国連本部の向かいにある国連事務局の別館)のビルの同じフロアで机を並べた同僚でもある。ほとんど毎日のように顔を合わせ、本書でも紹介された「居酒屋りき」や「うどん・ウェスト」などで何度も食事をともにした仲間でもある(他にもともに良く行った店として国連本部近くの「酒蔵」やNY Yankeesのステーキハウスなどもある)。
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