中国の独占禁止法(独禁法・中国語では「反壟断法」)が八月一日から施行される。中国国務院(中央政府)が一九八七年に法案起草の準備を開始してから二十年の検討を経て、昨年八月に公布された。独禁法の施行によって、市場経済体制の基礎となる法制度が整うことになる。 施行される独禁法は、同業者による価格カルテルや、メーカーなどが小売価格を決定する再販価格の拘束、高い市場シェアを持つ企業による不当廉売などを禁止した。中でも最大の特徴は、行政権力による競争の排除・制限行為を禁止した点だ。中国では、地方政府が地元メーカーの車しか使わない、役人の宴会の酒を地元産に限定するといった「地方保護主義」が横行している。独禁法では、こうした行為が禁止された。 一方、中国での「市場独占」の代名詞とも言える大型国有企業については、「(国有企業が)支配的地位を占め、国民経済の命脈と国家の安全にかかわる業種などについては、事業者の合法的な経営活動を保護する」という例外規定が設けられた。細則が公表されていない段階ではどの企業に適用されるのかはっきりしないが、石油や電力などのエネルギー関係や軍事産業などがこれにあたると見られている。

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