公式リリースで政界引退を発表したライアン下院議長

 

【ワシントン発】 米議会下院共和党を率いてきたポール・ライアン下院議長(ウィスコンシン州第1区選出)が、今年11月に実施される中間選挙には出馬せずに今期限りで政界を引退する意向を4月11日明らかにした(公式リリース参照)。

 昨年から、ライアン氏は下院議長職を辞任するのではとの憶測がされていた。与党・共和党では、今秋の中間選挙で下院での多数党の立場を失うのではないかとの不安が広まりつつある中、ライアン下院議長が実際に政界引退を決断したことは、共和党関係者の間のそうした不安をさらに強める状況をもたらしている。

若き有力政治家の決断

 現在、48歳のライアン氏は、20代のときワシントンの保守系シンクタンク「エンパワー・アメリカ」に勤務していたが、同シンクタンクには故ジーン・カークパトリック元国連大使やウィリアム・ベネット元教育長官らレーガン政権で閣僚を経験した大物保守派が名を連ねていた。若き日のライアン氏が最も信奉していたのは、ジョージ・H.W.ブッシュ政権で住宅都市開発長官を務め、1996年大統領選挙では、ボブ・ドール共和党大統領候補に副大統領候補として指名された故ジャック・ケンプ元下院議員である。ケンプ氏のための調査や演説原稿の草案作成をしていたのがライアン氏である。

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