【鷹匠術】(C)Ministry of Education, Culture and Science of Mongolia, with the permission of UNESCO.
 

 地域によって多少異なるものの、文化が広範囲に伝わり、解釈や方法を少しずつ変えながら、普及していったことを感じさせる無形文化遺産もある。

18カ国共通

 アラブ首長国連邦、オーストリア、ベルギー、チェコ、フランス、ドイツ、ハンガリー、イタリア、カザフスタン、韓国、モンゴル、モロッコ、パキスタン、ポルトガル、カタール、サウジアラビア、スペイン、シリア――。この18カ国に共通する無形文化遺産は何だろうか。

 答えは「鷹匠術」だ。2018年3月末時点で400件近くに急増した無形文化遺産の中でも、とりわけ広範囲に分布している。4000年以上の歴史を持つ鷹匠術は、アジアの大草原地帯で発達し、世界中に広まったという。

 欧州から中東、アジア各国など60カ国以上で行われており、2010年にアラブ首長国連邦など11カ国で初登録した。その後、鷹匠術による鷹狩りが存在する他の国々も賛同したため、2012年と2016年に追加登録が行われ、現在は18カ国での共同登録となっている。

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