ポンペオCIA長官(右)と金正恩党委員長――何が話し合われたのか[AFP PHOTO/KCNA VIA KNS](C)AFP-=時事

 

 マイク・ポンペオ米中央情報局(CIA)長官がドナルド・トランプ米大統領の特使として北朝鮮を極秘訪問、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と会談していたことが明らかになった。

 トランプ大統領と金正恩委員長の首脳会談に向けた準備協議が目的だが、この外交は47年前のキッシンジャー訪中を彷彿とさせる。

 あの時も日本は置いてきぼりだった。中国の国連加盟反対で日米は共同歩調をとっていたはずなのに、突然の米中接触。日本側への事前連絡は発表直前のことだった。

 今度も、日米が北朝鮮に対する「最大限の圧力」で一致していたはずなのに、トランプ大統領は金委員長が提案した米朝首脳会談に、事前連絡なく、直ちに合意した。

 それに加え、今回は米朝の間を仲介した韓国の動きを「思い込み」で探知できなかった日本政府のインテリジェンスの失敗もあった。

すべては「五輪外交」から始まった

「米韓関係は非常に悪いと聞いていた」と自民党の外交関係筋は言う。昨年9月、韓国が国連機関を通じた北朝鮮への800万ドルの人道支援を決めたことをトランプ大統領は強く批判、安倍晋三首相にこぼしていたというのだ。

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