今年2月8日、朝鮮人民軍創建70周年慶祝閲兵式で、儀仗隊を査閲する金正恩党委員長(右)と李雪主夫人(『労働新聞』ホームページより、以下同)

 

 4月27日に迫った南北首脳会談は、米朝首脳会談へ向けた「準備会談」という性格を帯びてくるだろう。

南北では「終戦宣言」「非核化宣言」も

 韓国政府は(1)非核化(2)朝鮮半島の平和定着(3)南北関係の発展――を議題に考えている。このうち(3)の主要な中身は、開城工業団地や金剛山観光、南北交易の再開など経済問題になるだろう。ただこれは国連安全保障理事会の制裁下では実行できず、非核化協議を先行させるしかない。

 文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領は、南北対話を米朝対話につなげることに成功した。今回は南北間で非核化の「下絵」を書いて、米朝首脳会談を成功させなくてはならない。ある意味で、文大統領はドナルド・トランプ米大統領との交渉に臨む金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長のコーチ役を務めることになる。

 南北は今回の首脳会談で、象徴的な意味での朝鮮戦争の「終戦宣言」や何らかの「非核化宣言」を発表する可能性がある。その宣言を意味のあるものにするには、米国との合意が必要だ。そのために韓国政府は水面下で、米朝の直接交渉の仲介に努力している。韓国のこの仲介外交の努力は評価されるべきだ。

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