「米国牽制」で日本にすり寄ってきた「王毅外相」訪日
2018年4月24日
王毅国務委員兼外交部長(外相)が4月15~17日、日本を訪問した。河野太郎外務大臣と日中外相会談を開いたほか、安倍晋三首相への表敬、第4回日中ハイレベル経済対話への出席が実現した。
王外相は、2016年8月に日中韓外相会議のために東京を訪れているが、国際会議への出席ではない2国間外交での訪問は、2013年3月の外交部長就任後、実に初めてであった。日本通として知られる王外相が、これまで日本訪問を避け続けてきた理由は何だったのか。そして、今になって日本の地を踏んだ背景には何があるのだろうか。
安定した立場を確保
時計の針を5年戻してみよう。2012年11月、中国共産党第18期中央委員会第1回全体会議で習近平氏が党総書記と党中央軍事委員会主席に就任。最高指導者の地位に就き、焦点は翌2013年3月の国家の役職人事に移った。2012年9月、民主党政権が尖閣諸島の所有権を国に移転した(中国側がいうところの国有化)のに対し、中国側は激しく反発。日中関係は最悪の状態だったこともあり、外交部長を巡ってはジャパンスクールの王氏の下馬評は決して高くはなかった。
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