公務員制度改革「重要人事」の逆転ゴール

執筆者:白石均2008年8月号

町村・二橋・坂の“改革つぶし三人組”が立ち塞がった「事務局長」人事。公募は葬ったが、結局、「まともな民間人」が選ばれて――。 七月十一日、公務員制度改革基本法に基づき、「国家公務員制度改革推進本部事務局」が発足した。この日夕方、虎ノ門のビルの一角に、福田康夫総理大臣、町村信孝官房長官、渡辺喜美行政改革担当大臣、二橋正弘官房副長官、新たに事務局長に任命された日本経団連参与・立花宏氏らが集合。マスコミ関係者を前に、新組織発足をPRする“看板掛け”パフォーマンスが行なわれた。派手な露出を好まない福田内閣には珍しく、不必要なまでに関係者が勢ぞろいする演出となったが、おそらく町村氏や二橋氏らとすれば、「自分たちも公務員制度改革に反対しているわけではない」という精一杯のアピールだったのだろう。 新聞でも報じられているが、この事務局の人事を「公募」にするかどうかをめぐり、ほぼ一カ月にわたり政府内のバトルが繰り広げられた。 最初に導火線に火をつけたのは民主党だ。六月五日、参議院内閣委員会にて松井孝治議員が「事務局長には、公募などを活用して、民間人を登用すべき」と指摘。渡辺氏から「官邸とも相談して決めるが、(指摘は)ごもっとも」との答弁を引き出した。続いて六月十一日には、21世紀臨調・経済同友会・連合の主催する公開シンポジウムで、経済同友会代表の参加者からも公募を求める発言があった。こうして、民主党や経済界に後押しされ、「事務局長の公募」が一躍争点として浮上した。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。