要するに、やはりサウジの動向が最大のポイントということか(FTのHPより)

 

 何故なのか自分でも分からないのだが、突然カンボジアのフン・セン首相が10年ほど前に語った「木を見て、森を見て、もう1度木を見る」という言葉を思い出していた。何十年も国を支配できている「コツ」について話題が及んだときの言葉だったが、事実を正しく認識しようとする場合には、あまねく有効な思考方法なのではないだろうか。

 筆者はこの一両日、原油価格が今後どう展開して行くのだろうか、と考えているのだが、同じように「もう1度木を見る」ことが大事だと思い知らされている。

 読者の皆さんもご存じのように、ドナルド・トランプ大統領が「イラン核合意」からの離脱を発表して以後、原油価格はさらに上昇の気配を強めている。イラン原油の輸出に影響を与える「制裁」が有効になるのは「180日後」だが、市場参加者は「需給はタイトになる」と読んで、買い上がっているようだ。

 これが「森」の姿だ。

 一方、これまでは油価が上昇すると米シェールオイルが増産され、ブレーキがかかると見られていた。だが、どうやらそのブレーキが作動しない模様だ。何がどう作用して、ブレーキが効かないのだろうか。

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