米国の集団妊娠協定 ホントにホント?

執筆者:徳岡孝夫2008年8月号

 よく社会面に出る記事である。生後一年にもならない赤ん坊を「同居している義理の父親」が、何度も床に叩きつけて殺した、という種類の話。警察が捕えた容疑者の職業は、たいてい「無職」、年齢はどうかすると十代である。 それを裏返したような事件も、近頃は多い。秋田県の彩香ちゃん殺しはそれだった。かわいそうに幼女は、実の母の手で橋から突き落とされて死んだ。 望まれずに生まれた子の受難である。母親は性行為がどんな結果をもたらすか、知らないではないが、深く考えるのが面倒臭く、男は雄の本能むき出しで迫ってくる。つい許しちゃう。二度三度と繰り返す。そのうちに、できちゃう。 生まれた子は、完全にhelpless の状態である。昼夜を問わず三時間おきに授乳し、おむつを替えなければならない。沐浴させないと、気持ち悪いのか、泣く。 母親は当分かかりきりになる。父親は……十代または職業訓練ゼロの二十代の男に、一家を養っていく知恵も才覚もあるわけがない。まして子を産ませた男と入れ替って母親の性を貪っていた義理の父親に、夜中の泣き声は我慢できない。赤ん坊をつかんで、床に叩きつける。すべては、若い男女の無計画から発している。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。