ポピュリスト政権の政治経験ゼロ「新首相」となるか(ジュゼッペ・コンテ氏)(C)EPA=時事

 

 3月4日の総選挙以来、2カ月余りにわたり行われてきた連立交渉の末、ついに5月18日、共にポピュリスト政党である「五つ星運動」(反エスタブリッシュメント)と「同盟」(反移民政策)との間で政策合意が成立し、58ページにわたる「変革に向けた政権協定」として公表された。西欧諸国初のポピュリスト同士による連立政権がとうとう現実のものとなった。

「ポピュリスト政権」発足

 3月の総選挙で最大の得票を上げたのは「五つ星運動」で、得票率32.7%を記録した。17.3%の「同盟」が所属する右派連合はこれを上回る37.0%だったが、その中の「フォルツァ・イタリア」を率いるシルヴィオ・ベルルスコーニ元首相に対し、「五つ星運動」が強く拒絶。前与党の「民主党」も巻き込み複雑な駆け引きが繰り広げられてきた。

 妥結の見通しがないまま5月10日、セルジョ・マッタレッラ大統領はテクノクラートを首班とする暫定政権を提示すると見られていたが、9日、突如、ベルルスコーニ元首相が連立交渉に参加しない旨を明らかにしたことで、事態が急展開を見せることとなった。議会の多数をバックにしない実務者内閣では早晩選挙のやり直しが避けられず、そうなれば「フォルツァ・イタリア」は大きく得票を減らすと予想されたためである。

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