「禁じ手」で牙城死守したインド「地方州議会選」に見るモディ政権の危うさ
2018年5月25日
IT(情報技術)都市バンガロールを州都に持つインド南部・カルナタカ州の議会下院選挙は、「全国制覇」を目指した中央与党インド人民党(BJP)が第1党に躍進したものの過半数には届かず、最高裁を巻き込んだ騒動の末、国民会議派と地元政党ジャナタ・ダル世俗派(JD-S)の「2位・3位連合」による新たな州政権が発足した。
2014年の総選挙で大敗して下野し、主要州の議会選でも連敗が続いていた国民会議派にとって、カルナタカ州は北西部パンジャブ州とともにほぼ最後の牙城だった。連立とはいえこの重要州での政権を何とか死守したことで、会議派は2019年春の次期総選挙に向けた巻き返しに、わずかながら希望をつなげた。
ナレンドラ・モディ首相率いるBJPも、政権奪取に失敗したとはいえ、第1党となったことは民意の後押しを証明した。年内に予定されている西部ラジャスタン、中部マドヤプラデシュなどの州議会選に向け、これまで以上に農村や貧困層重視の公約を掲げ、必勝態勢で臨むに違いない。
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