「リビア方式」を主張するボルトン米大統領補佐官だったが (C)EPA=時事

 

 米朝首脳会談をめぐる動きは、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が5月9日に訪朝したマイク・ポンペオ米国務長官と平壌で会談した時点までは、基本的な対立を抱えながらも会談を成功させよう、という双方の努力が見えた。

 朝鮮労働党機関紙『労働新聞』は5月10日付記事で、「金正恩委員長は、トランプ大統領の口頭メッセージを聞き、大統領が対話を通じた問題の解決に深い関心を持っていることについて高く評価し、謝意を表した」と報じた。北朝鮮が自国民に米朝首脳会談開催を準備していることを、初めて明らかにした。

 こうした中で、ジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が米国の主張を強く押し出した。

ボルトン補佐官の「リビア方式」

 ボルトン補佐官は5月13日に『ABC』と『CNN』に出演し、米国の立場を説明した。米朝会談に際しては大筋合意では不十分で、細目が重要だとした。その上で、北朝鮮に対する制裁解除と経済支援開始は、非核化実行後でなければならないと強調した。

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