5月の大連での金正恩・習近平会談が大きな影響を与えたか[KCNA VIA KNS](C)AFP=時事

 

 米朝間で最も尖鋭的な意見の違いは、非核化をめぐる「入口論」と「出口論」の対立だ。

非核化の「入口論」と「出口論」

 北朝鮮が非難したジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の「リビア方式」とは、北朝鮮がまず完全に核を放棄し、それが検証された後に補償があるという方法だ。ここでは、非核化はすべての交渉の「入口」にある。

 一方、北朝鮮が主張しているのは「段階的、同時的措置」だ。これは、非核化は段階的に進め、それぞれの段階において、米国が「軍事的脅威の解消」や「体制の安全の保証」に関する対応を取り、その先に「非核化」があるというものだ。ここでは「非核化」は、「出口」に位置する。

 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は5月9日のマイク・ポンペオ米国務長官との会談に先立ち、5月7、8の両日、大連で習近平中国共産党総書記(中国国家主席)と会談したが、ここで「段階的、同時的措置」への支持を取り付けた。

『新華社』は、金党委員長は非核化には「段階的、同時的措置」が必要との考えを示した、と報じた。習近平党総書記は、中国も朝鮮半島問題の解決に向け「積極的な役割を発揮する」との考えを示した。

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