国際社会が憤激「ベネズエラ」マドゥロ大統領の「翼賛」「出来レース」再選劇
2018年5月28日
5月20日、前倒しで強行されたベネズエラの大統領選挙は、予想通り、現職のニコラス・マドゥロ大統領が再選された。主要野党がボイコットを決めたため、投票率46%、すなわち有権者の半数以上が棄権する中での結果である。ボイコットに反対した野党のアンリ・ファルコン氏らが出馬したことで、一応は民主的な装いを保つ形になったものの、自作自演にも等しい再選劇であった。
体制護持のための翼賛選挙
マドゥロ大統領はこれに先立ち、野党が危機の打開に向けて求めた大統領罷免国民投票を封殺し、新たな最高議決機関として制憲議会を設置。野党の支配する国民議会を無力化した(2017年6月30日「『インフレ4ケタ』『死者80人』ベネズエラ危機の『見えない出口』」、7月27日「ベネズエラ危機で『軍』はどう動く:『制憲議会選挙』を前に最大の山場」参照)。
そのうえで、体制側の選挙管理当局の下、来年1月の任期を待たずに大統領選を強行したのである。野党は、合法性を欠く選挙プロセスに加え、政治犯300人ともいわれる中、有力指導者を統一候補として擁立することを認められなかった。要するに今回の大統領選は、これまでの強権的な政治過程を正当化し、マドゥロ大統領の体制護持のために行われた翼賛選挙であり、出来レース選挙であった。
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