風当たりが強くなる一方の森長官(C)時事

 

 森信親長官率いる金融庁がもがいている。森長官は3年前の就任以来、銀行など地方金融機関の生き残り策として「新たなビジネスモデルの創出」と「他行との経営統合」を2本柱に位置付け、推し進めてきた。地方金融機関は現在、少子高齢化による人口減少と地方の過疎化、日銀の異次元金融緩和によるゼロ金利政策といった厳しい経営環境下にある。

 だが、森長官が「新たなビジネスモデルづくりの代表例」「日本の銀行には珍しく、ハイリスクハイリターンの融資をしている」と手放しで絶賛してきたスルガ銀行が、最近になってシェアハウス融資で詐欺まがい商法の片棒を担いでいたと指摘され、批判の矛先が森長官にも向けられている。

「森長官も戦犯」

 この問題は、女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を運営する不動産会社「スマートデイズ」の資金繰りが悪化したことで発覚した。朝日新聞の報道で火がつき、筆者を含めすでに様々なメディアで指摘されている。 

 運営の仕組みは、個人投資家が銀行ローンでシェアハウスを購入し、スマートデイズがそれを一括で借り上げ、投資家には家賃収入を保証する「サブリース」というもの。その個人投資家向けの融資を一手に引き受けていたのが、スルガ銀行だった。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。