※本対談は「ニコ生『国際政治ch』」にて2月23日に行われた対談をもとに再構成したものです(2018年2月23日『池内恵の中東通信』本日夜8時からニコ生「国際政治ch」で新潮新書『イスラム教の論理』の飯山陽さんと対談)。日付や事象は放送当時のものです。

 

 

『イスラム教の論理』(新潮新書)の著者の飯山陽さんとのテレビ対談の続きは、注目を集めるサウジアラビアのムハンマド皇太子の評価に話題が及んだ。飯山さんが学生時代の毒舌を彷彿とさせる語り口でバッサリとやる中、池内は教師歴が長くなったからか、バランスよく3つの説を提示します。研究者の会話にありがちで、話題が一見したところあちこちに飛ぶのですが(論理的には結びついています)、ここではイスラム世界の中心部アラビア半島から、一転して東西の端のフィリピンとモロッコへと視線が移ります。過激主義は周辺に飛び火して新たに発展するのかも……この対談をしてから3カ月が経つ間にも、東南アジアではより深刻なテロが起きています。

サウジアラビア「規制緩和」の背景

飯山陽 サウジアラビアでは、ムハンマド・ビン・サルマンという人が昨年6月に皇太子に繰り上がってから、いわゆる規制緩和策を五月雨式に出しており、3日に1つは規制緩和をしているような勢いです。

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