まずは首位を押さえたドゥケ候補。このまま決選投票でも勝利となるか(C)EPA=時事

 

 2018年は中南米において、コスタリカ(4月決選投票)、パラグアイ(4月)、ベネズエラ(5月)、コロンビア(6月17日決選投票)、メキシコ(7月1日)、ブラジル(10月7日)で大統領選挙を迎える、いわゆる「メガ選挙年」である。

 資源ブームが去った後の経済の停滞や中南米地域全体を覆った汚職問題を背景に、与党が支持率を落とす中で、選挙を行いながら独裁化を強めるベネズエラを除くと、コロンビア、メキシコ、ブラジルの主要国で政権交代を余儀なくされる情勢となっている。いずれも既存の伝統政党の凋落ぶりが目立ち、各国で政治地図が塗り替えられる模様で、メキシコでは既存政党以外から「国家再生運動」を立ち上げたロペス・オブラドール元メキシコ市長の当選が確実視されており、トランプ米政権の言動に刺激を受けて、左派ポピュリストがメキシコで初めて政権を獲得する見通しだ(決選投票なし)。

既存政党の凋落

 コロンビアでも、フアン・マヌエル・サントス大統領の8月の任期満了を受けて5月27日に行われた大統領選挙の第1回投票で、反エスタブリッシュメントを掲げる左派勢力が大躍進するなど、既存政党の凋落ぶりを象徴する結果となった。

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