安倍総理は「経済再生なくして財政健全化なし」と言うけれど……(C)時事

 

 6月5日の経済財政諮問会議で、「経済財政運営と改革の基本方針2018(仮称)」、いわゆる「骨太の方針」の原案が提示された。だが、「新経済・財政再生計画の策定」という項目に盛り込まれた「財政健全化目標と実現に向けた取組」に、驚くべきことが書いてある。

 経済政策と同様、財政健全化までも日本銀行頼みの姿勢を打ち出しているのだ。

PB黒字化の期限を先送り

 新たな財政健全化目標は、(1)経済再生と財政健全化に着実に取り組み、2025年度の国・地方を合わせたPB(プライマリーバランス:基礎的財政収支)黒字化を目指す、(2)同時に債務残高対GDP比の安定的な引き下げを目指すことを堅持する、とされた。

 これまでとの大きな違いは、(1)のPB黒字化の期限が、2020年から2025年に先送りされたことだ。

 3年後の2021年には、目標の達成に向けた取り組みの進捗状況を確認するために、中間目標が設定された。直近の2017年度実績を起点とし、PB赤字の対GDP比を実質的な半減値である1.5%程度に、債務残高の対GDP比を180%台前半に、財政収支赤字の対GDP比を3%以下に、それぞれ抑えることを目指すという。

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