お互いに満足かつ得意げな表情だが(右がカバノー氏)(C)AFP=時事

 

【ワシントン発】 7月9日、ドナルド・トランプ大統領はホワイトハウスで、6月27日に7月末での退任の意向を明らかにした中道保守派のアンソニー・ケネディ連邦最高裁判所判事の後任として、コロンビア特別区連邦控訴裁判所判事である保守派のブレット・カバノー氏を指名した。トランプ大統領は事前に25名の候補リストを公表し、その中から6名に絞り込んで面接をした結果、最終的にカバノー氏を指名した。

 カバノー氏の指名はトランプ大統領にとり、就任後わずか1年半以内で2人目の連邦最高裁判事指名であり、保守派とリベラル派の判事のバランスが拮抗している中、カバノー氏の指名承認プロセスは今後非常に大きな意味を持つことになる。

保守派の判事

 カバノー氏は共和党との関係が近く、クリントン政権当時、ビル・クリントン大統領とホワイトハウス・インターンであったモニカ・ルインスキー氏との不倫疑惑の調査にケネス・スター特別検察官のスタッフとして関与し、クリントン大統領に対する弾劾開始を主張した「スター報告書」の起草を主導している。ジョージ・W.ブッシュ政権では大統領法律顧問室のスタッフや大統領補佐官、ホワイトハウス秘書官の要職も歴任し、ホワイトハウス勤務時にブッシュ大統領の個人秘書を務めていたアシュレイ夫人と結婚している。2003年7月にブッシュ大統領によりコロンビア特別区連邦控裁判事に指名されたが、野党・民主党はカバノー氏についてあまりにも党派色が強いとして同指名に猛反発した結果、指名承認が約3年間棚上げ状態にされ、上院本会議で正式承認されたのは2006年6月であった。

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