ロシアからシリアへの武器供与が早くも現実化しつつある。 シリアのアサド大統領は八月下旬、黒海沿岸のソチでロシアのメドベージェフ大統領と会談。ロシア外務省当局者によれば、ロシアとグルジアの紛争や、ロシアからシリアへの武器売却問題などが話し合われた。英紙タイムズの軍事専門記者などによれば、ロシアはイスラエル軍の攻撃を防ぐための最新型対空ミサイルを求めるシリアの要請を受け入れたという。 アサド大統領が“グルジアの挑発”に対するロシアの軍事的報復に支持を表明する一方、“イスラエルの挑発”へのシリアの備えについて、メドベージェフ大統領が理解を示した結果だという。その際、ロシア側はS300対空ミサイル・システムの供与を約束。シリア側はその見返りとして地中海沿岸のタルトゥース港にロシアが海軍基地を設けることに同意した。 一方、テルアビブの外交筋によれば、イスラエルのオルメルト首相はロシア・シリア首脳会談の直前、メドベージェフ大統領に直接電話をかけ、シリアへの兵器売却を思いとどまるよう求めていたという。

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