日本政府が、一度は断わったアフガニスタン本土への自衛隊派遣を再検討している。福田康夫首相は七月の北海道洞爺湖サミットの際に行なわれた日米首脳会談でブッシュ大統領に派遣断念を伝えたが、米側がその後も大統領特使を派遣するなど強く再考を求めているためだ。 大統領特使はボビー・ウィルクス国防副次官補(中央アジア担当)。副次官補クラスが大統領特使に起用されるのは「極めて異例」(日米関係筋)だが、軍出身で現地情勢に精通していることから抜擢されたという。 ウィルクス氏は七月後半に来日。「他のG7(主要七カ国)諸国がすべて派遣しているのに日本がいないのは解せない」と強い口調で伝えた一方、インド洋での給油活動継続にはあまり興味を示さなかったという。 これを受け、官邸を中心に八月から再検討を開始し、政府の現地調査団派遣も模索している。前回の調査に加わった政府関係者は「ヘリによる輸送支援が可能な場所は複数あった」というが、アフガニスタン派遣は容易なことではない。 九月上旬に来日したカート・キャンベル元国防副次官補も自衛隊派遣を日本側高官に主張。日本がインド洋の給油継続のためのテロ特別措置法の延長でまごついているうちに、事態はより困難な方向に進みつつある。

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