経済政策で占う民主党の政権担当能力

執筆者:高橋洋一2008年11月号

「財源問題」で叩かれる民主党だが、そちらの方は全くの絵空事でもない。だが、致命的な欠点は、自民党と同じく金融政策にある。  最近の米国金融危機をみると、世界恐慌に突入するのではないか、といった悪い予感を多くの人は抱くだろう。ニューヨーク株式市場は猛烈な下げとなり、十月十日、ダウ平均は八四五一ドルと五年前の水準になった。たしかに、米国にとって、一九三〇年代の大恐慌以来の出来事であることは間違いない。米国株式市場の先行きに対する投資家の不安心理を示す指標として知られるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX)は、平常時には二〇―三〇であるが、一時七二・四四まで上昇した。連日の“最高値”更新であり、十日の終値も七二・三一だった。金融危機が欧州へ拡大する動きを見せ、世界同時株安になるとの予想からだった。  そうした中で、東京市場の下げも激しい。十日、日経平均は下げ幅一時千円を超し、八二七六円まで下落した。こうした市場の混乱をよそに、永田町は政治駆け引きに忙しい。国会冒頭解散が公然と語られる中、多くの衆議院議員は臨戦態勢に入ったが、ここに来て早期解散は遠のきつつある。しかし、一寸先は闇が政治の鉄則。早期解散が遠のいたと首相周辺が流すほど、実は抜き打ち解散もありうる。今国会中での解散の可能性は依然として高い。

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