中国は九月下旬、有人宇宙船「神舟七号」の打ち上げに成功したが、その目的は衛星攻撃兵器の実験ではないかとの見方が出ている。米国防総省の宇宙兵器専門家らが注目するのは、神舟七号に装着され、宇宙空間に放出された重量約三十キロの「伴飛小衛星」。「伴飛小衛星」の役割について中国当局は「平和的な探査衛星」とし、搭載カメラと送信装置を使って、飛行中の神舟七号の画像を地上に送っていると説明していた。 しかし、前出の専門家らは「伴飛小衛星」が国際宇宙ステーション(ISS)の近くまで接近したことなどから、ISSを標的とするシミュレーション作戦を試みたのではないかと推測している。 また、ワシントンのシンクタンク「国際評価戦略センター」の宇宙兵器研究員も、「伴飛小衛星」について「衛星攻撃兵器のプロトタイプ(試作品)の可能性がある」と指摘する。 中国が昨年、弾道ミサイルを発射し、自国の人工衛星を破壊する実験に成功していることなどから、同研究員は「中国は宇宙空間で軍事目的の幅広い戦略計画を立案しており、神舟七号と『伴飛小衛星』は衛星攻撃兵器の開発を目指す計画の一環ではないか」と見ている。

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