米家電量販二位のサーキット・シティ・ストアーズの経営破綻に、日本の家電メーカーが真っ青になっている。世界同時不況で消費が冷え込む中、日本の家電量販業界の近未来をすぐに連想したのだ。 〇八年九月中間期の連結業績で家電量販店の生命線とも言える増収を維持したのは、業界首位のヤマダ電機のみ。収益が落ちた量販店は在庫処理で値下げを強いられ、利益率も下がっていく。特に不況時は複数店舗で価格を比べる客が多くなる。結果的に選ばれやすくなるのは、大量仕入れで仕入れ価格を下げ、値下げしても利益を確保できるヤマダ。かくして一極集中がますます進むというわけだ。 ヤマダの売上規模は、業界二位のエディオン(デオデオとエイデンが経営統合した持ち株会社)の二倍以上。ガチンコの消耗戦を挑むライバルは見あたらない。強すぎるガリバー量販店の存在は、家電メーカーにとって、ただでさえ厳しい納入価格交渉が一段と厳しいものになることを意味する。歓迎したくない展開に、メーカーは業界再編に望みをつなぐのみだ。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。