景気対策はタテマエ、ホンネは票ほしさ。一般財源化を葬り去り不要な道路を造り続ける亡国のドラマだ。 自民党の息の根を止めるのは「道路」かもしれない。 十二月五日、自民党の「道路特定財源の一般財源化に関するプロジェクトチーム」が示した最終報告は、そう感じさせるものだった。中身はわずか半年前に福田政権が閣議決定した一般財源化の骨抜きである。 自民党執行部と道路族がなりふりかまわず道路予算を死守しようとする背景には、中央・地方を問わない急速な自民党離れがある。自民党の大物議員の選挙区で、民主党候補の選挙事務所を仕切るベテラン秘書が打ち明ける。「これまでとは比べものにならないくらい手応えがある。試しに運動員を敵のポスターが貼ってある家に行かせたが、追い返されたのは十軒に二軒程度。八軒はパンフレットを受け取ってくれるし、うち二軒は『今度は民主党さんに入れる』と言ってくれる」 建設業界も、朝礼で挨拶させてくれるなど、以前では考えられないような対応をする会社が目に見えて増えているという。「みんな自民党が負けるかもしれないと、こっちにも保険をかけている」とベテラン秘書。中には相手陣営の選対幹部でありながら、「今回は自民党にお灸を据えるために、おたくに入れるよ」と明言した建設業者までいた。

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