相変わらず「進軍のラッパを吹き鳴らす」のが好きな北朝鮮。オバマ政権に対し「ミサイル」で脅すのか関心を引くのか、その狙いは――。 三月八日、北朝鮮で最高人民会議の代議員選挙(第十二期)が行なわれる。選挙権は数え年十七歳以上の者に与えられているが、選挙区ごとの立候補者は一人で、住民は賛成投票を要求される。いわゆる民主的な選挙ではない。 実は、代議員の任期は昨年九月に切れている。おそらくは八月に選挙をしようとしたが、金正日総書記の病変で実施できなかったのであろう。今回注目されるのは、代議員の世代交代がどれほど行なわれ、最高人民会議での「国家の最高職責」である国防委員長の選出と国防委員会を構成するメンバーがどうなるかだ。 北朝鮮の指導者の選出は、下部から推されてなる「推戴」という形式を取ってきた。金総書記はすでに二月八日までに全選挙区で代議員に推された(本人が一つの区を選ぶ)。三月八日の選挙を踏まえて、おそらく三月末か四月初めに第一回会議を開き、国防委員長の三選への手続きを形式上踏んでいくだろう。 金総書記の国防委員長体制三期目のスタート。それまでに「ミサイル」が発射される可能性がある。 この原稿を書いている時点で、発射の兆候はすでにある。偵察衛星によると、ミサイルとみられる資材が一月末に平壌南方のミサイル工場から列車で積み出され、日本海に面した咸鏡北道舞水端里の発射施設近くに到着したという。

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