海上保安庁が、日本領土である東シナ海の尖閣諸島・魚釣島周辺の警備体制を強化し、不審船や外国調査船などの早期発見と、領海侵入阻止に全力をあげている。尖閣諸島に対しては中国と台湾が領有権を唱えている。 海保は昨年十二月の中国調査船による領海侵入を受け、二月からは新たにヘリコプター搭載大型巡視船も常駐させ、巡視船二隻から三隻態勢に増強した。 ところが、このヘリ巡視船常駐に中国と台湾が不快感を露にしており、台湾の民間団体は「魚釣島上陸を目指す船団を派遣する」と強硬姿勢を示す。 海保は「警備体制は明らかにできない」とするが、周辺国の動きに呼応する形で、現在は交代で尖閣諸島周辺の警備にあたる大型巡視船搭載のヘリを一日数回警戒監視飛行させ、石垣島の航空基地からの固定翼機による警戒飛行も一日二回に増やしているもようだ。さらに、尖閣諸島周辺に配置されている二隻の巡視船は、常に一隻が魚釣島の東方、十二海里(約二十キロ)あたりの領海線に配置されており、残る一隻は魚釣島周辺から十二月に中国の調査船が侵入した南東方面の周回コースで警戒を続けているという。 海上自衛隊も哨戒機P3Cによる周辺の定期監視飛行を続けており、尖閣周辺の緊張は静かに、しかし確実に高まっている。

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