アフガニスタンおよびパキスタンで国際テロ組織アル・カエダの準軍事組織「ラシュカル・アル・ジ」、通称「影の軍団」が影響力を増しているようだ。 米国のテロ・軍事情報メディアによると、「影の軍団」は、二〇〇一年末の米国のアフガニスタン侵攻作戦によって壊滅状態になった「055旅団」と呼ばれる武装組織が立て直され、新たに強力な戦闘員が加えられた組織だという。 米軍当局や米情報機関の関係者によれば、「影の軍団」は昨年秋以降、パキスタンの北西辺境州やアフガニスタン東部・南部で急速に勢力を拡大し、カンダハルやパクティカなどでは北大西洋条約機構(NATO)軍主体の多国籍軍との戦闘を繰り広げたことが確認されている。 同軍団は極めて高度の訓練を受けており、既存の他のアル・カエダ要員やタリバンのグループを指揮下に置くようになっていると伝えられる。 米軍当局者の一人は、同軍団の台頭によってアル・カエダとタリバンの統一が進み、両組織の区別が無意味になりつつあるとも指摘する。二月末、パキスタン内のタリバンの有力指導者三人が勢力結集で合意したが、その背後にも「影の軍団」の存在があるとみられる。

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