台湾は世界的に需要拡大が期待される太陽電池産業の育成に官民で取り組んでいる。台湾経済の発展を支えた半導体と液晶パネル産業に続く第三の柱として、太陽電池を一大産業に育てるのが狙いだ。半導体とパネルで一時代を築いた台湾だが、日本と同様、最近では韓国勢に対する敗色が濃い。太陽電池でも台頭が著しい宿敵・韓国に対抗し、先行する日本もいずれは越えようと鼻息を荒くしている。 太陽電池産業は成長可能性の高さと、発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しないことから、各国政府が育成に注力。加えて、製造過程で半導体や液晶パネルほどの精巧さは要求されないことから、参入障壁が低いとされ、世界で民間企業の参入が相次いでいる。台湾も例外ではなく、太陽電池の基本構成素子である「セル」製造を中心に参入が盛んで、原材料製造などの川上から、システム設計・設置などの川下まで、百社前後のメーカーがひしめく。 台湾が主力とするセル製造では、最大手の茂迪(MOTECH)やイク晶能源科技(GINTECH)など台湾メーカーだけで二十八社、全世界で二百社に達するとされ、国際的な競争が激化している。技術面で早くから太陽電池の開発を手掛けてきた日本勢を筆頭に、太陽光を電気に換える発電効率の向上を中心に各国企業が鎬を削る。

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