国際テロ組織アル・カエダ系のイスラム過激派グループが、中南米の麻薬組織との連携を求めているとの情報がある。 米沿岸警備隊や米麻薬取締局(DEA)の関係者が語ったところによると、中南米や欧州に潜伏するとみられるイスラム原理主義過激派が、アル・カエダ系のウェブサイトで、コロンビアやメキシコの麻薬カルテルと協力して“対米闘争”を行なう計画を示唆しているという。 DEA当局者によれば、イスラム過激派が求めているのは麻薬組織が所有する半潜水艇の共同利用。メキシコの麻薬カルテルがコロンビアから米国向けにコカインを運ぶのに半潜水艇を使っていることは本誌三月号でも報じた。 その多くはコロンビア麻薬組織の手で同国密林地帯の秘密の造船所で造られる。通常はディーゼルエンジン駆動型。半潜水艇の設計や製造には欧州の退役軍人が携わり、一隻の製造費用は百万ドルといわれる。DEAは、こうした半潜水艇が今年、七十隻以上進水すると予測している。 DEAなどが掴んでいる情報では、イスラム過激派は麻薬カルテルの半潜水艇を利用し、米本土に致死性の武器を運ぶ計画を立てている。米フロリダ州キーウェストの沿岸警備隊本部は、各国治安当局の協力を得て麻薬組織とイスラム過激派の連携を監視する特別チームを結成する計画だという。

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