新銀行東京に新たな火種が燻っている。複数の信用金庫が契約不履行で提訴する準備を進めているというのだ。提携相手から訴えられることになれば、目も当てられない話である。 新銀行は、収益の柱の一つとして、開業当初から保証業務に積極的に取り組んでいる。信金を中心とした提携金融機関の融資案件について、保証料を取った上で融資金額の八〇%程度を保証するというもの。〇九年三月期では、同行の融資残高千六百八十四億円に対し、保証残高だけで三百八億円にもなる。だが、「信金の中小企業への融資資金に新銀行が保証をした案件の中で、中小企業が倒産した際に新銀行が保証を拒否、保証金が支払われていない案件が複数ある」(都内大手信金役員)という。さらに、「新銀行側は、信金からの紹介案件はそもそも倒産の可能性が高く、保証金は払えないと主張している」(都内の別の信金役員)という。信金側は「保証の可否は新銀行が審査をして決めるもの。保証を承諾して保証料を取りながら責任をこちらに押し付け保証金を支払わないのは明らかに契約不履行だ」(同)と提訴も辞さない構えだ。

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