世界遺産のブハラやサマルカンドで知られるウズベキスタンは、中央アジア観光の拠点。日本人観光客があこがれるシルクロードの結節点であり、首都タシケントからは近隣のカザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン方面にフライトが整備されている。 周囲を山や砂漠に囲まれ、二つ以上の国を通過しないと海へ出ることができないウズベキスタンにとって、陸のシルクロードと空のエアルートは生命線である。中国内陸部の西安や蘭州から西へ延びるシルクロードは新疆ウイグル自治区の区都ウルムチを経由して天山山脈などを越え、ウズベキスタンに通じる。ウイグル人、カザフ人、そしてウズベク人らのイスラム商人は、数百年もの間、乾燥しきった大地に交易の歴史を刻んできた。 一方、観光客がウズベキスタンを訪れるには、民間航空機に頼るしかない。日本からはウズベキスタン航空が直行便を飛ばし、韓国ではアシアナ航空が定期便を就航させている。北京、バンコク、デリー、モスクワ、イスタンブール経由のフライトもあるが、乗り継ぎがスムーズではない。 陸と空に加えて、今年からパイプラインという新たなルートが誕生する。大量の石油と天然ガスを休みなく運ぶ、二十一世紀のシルクロードだ。

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