米国が台湾のパトリオット・ミサイル近代化計画を前倒しで実施する意向だ。 昨年十月、ブッシュ政権は、台湾向けに最新地対空パトリオット・ミサイルの輸出を決定。これを受けて今年一月、米レイセオン社が台湾当局との間で総額約一億五千万ドルのパトリオット近代化契約を結んだ。 これは台湾が現在配備しているパトリオットPAC-2を、今年中により性能の高いPAC-3にアップデートし、弾道ミサイルや巡航ミサイルおよび先進航空機の迎撃を可能にするという計画だ。台湾に照準を合わせた中国の軍事力増強に対抗するためであるのは明らかだ。 台北の軍事筋によれば、この計画は今後数年内に実施される予定だったが、オバマ政権によって前倒しされたという。 中国は米国の台湾への武器輸出に強く反対しており、ブッシュ政権の決定にも猛反発した。 十一月にはオバマ大統領が訪中し、胡錦濤国家主席と米中首脳会談を行なう予定だが、台湾のパトリオット近代化計画をめぐって双方の間で激しいやり取りが交わされるかもしれない。

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