政権交代でレセプトオンライン化はどうなる

執筆者:河合圭介2009年11月号

「一歩後退、二歩前進」になりそうな雲行きだ。先の総選挙で自民党惨敗の一因に医師の自民党離れが挙げられているが、レセプト(診療報酬明細書)オンライン請求の義務化もその自民党離れを加速したといわれている。 レセプトオンライン化は二〇〇一年、総合規制改革会議の最終報告書に盛り込まれたのが始まりだ。〇五年には医療制度改革大綱に明記され、〇七年の骨太方針で閣議決定された。日本医師会は昨秋、突然、義務化に反対と言い出したが、当初は混合診療の解禁などを防ぐため、オンライン化を容認していたといわれている。神奈川県と大阪府では保険医協会が国を相手に訴訟を起こす騒ぎに発展していた。 民主党は選挙対策もあってか、いち早く「義務化」を「原則」に変えたのに対し、自民党は今年二月になって一部の議員が慌てて義務化反対と言い出した。その好例が同月に自民党本部で開かれた社会保障制度調査会の医療委員会だ。普段はほとんど顔を見せない自民党議員がドッと押し寄せ義務化反対と気勢を上げた。が、すでにとき遅し。選挙は丹羽雄哉氏を筆頭に厚生労働族はほぼ全員落選、自民党が惨敗したのは周知のとおり。では「原則」オンライン化の民主党内閣の誕生でレセプトオンライン化はどうなるのか。

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