七%成長を目指す「ユドヨノ新政権」の読み方

執筆者:古宮正隆2009年12月号

図抜けた経済成長を続けるASEANの大国・インドネシア。絆が弱まりつつある日本は、どうアプローチすべきなのか。 十月二十日、インドネシアでスシロ・バンバン・ユドヨノ大統領(六〇)が二期目の政権をスタートさせた。任期は五年間。最重要課題は、七%の経済成長を目指し、民生を安定させることである。 ここ三年間、実質GDP(国内総生産)成長率は、五・五%(二〇〇六年)、六・三%(〇七年)、六・一%(〇八年)と好調だった。金融危機に見舞われた〇八年第4四半期も、ブラジルなどがマイナスに落ち込む中、五・二%と健闘。〇九年第3四半期も、経済危機の後遺症から抜け出せない他国を横目に、四・二%を達成した。 インドネシア経済は外需への依存度が低い。〇八年のGDPに占める外需の割合はマレーシア(九四・一%)やタイ(六四・二%)などと比べても圧倒的に低く、二六・七%だ。二億三千万人というASEAN(東南アジア諸国連合)域内最大の人口が内需を牽引し、それが主要国で中国とインドに次ぐ高成長に結びついている。「政権安定」と「実行力」を重視 さらに高い経済成長率を実現するためには、政権の安定が欠かせない。ユドヨノ大統領は組閣とからめて巧妙な連立工作を進め、国会の多数派を形成した。

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